日韓通貨スワップは2国のためだけの物ではない。
本日のニュースによると日韓の「通貨スワップ協定」の延長がされない方針になった
日本政府、日韓「通貨スワップ協定」を延長しない方針固める(フジテレビ系(FNN)) - Yahoo!ニュース
通貨スワップの意義
通貨スワップとは何か?
日本の通貨(円)と韓国の通貨(ウォン)を前もって定めたレートで交換する協定のこと
なんでするの?
基本的にはリスクヘッジだと考えればいいです。
有事の際、どちらかの通貨が暴落する時に前もってスワップ協定しておくことで迅速に安定化を図ることができるイメージ。ようは安定を求めてってことですね。
これは過去のにがい経験を踏まえて(1997年のアジア通貨危機)アジア経済の安定のためにチュウマイ・イニシアチブなどで日中韓とASEAN諸国の間に協力体制が敷かれたことにも関係します。
なぜ今回延長しないのか?
何よりも言えることは2国間の関係悪化でしょう。
安倍政権になってからの両国間の冷え込みもさることながら、
直近では前ソウル支局長が名誉毀損で出国申請が通らないなど
【本紙前ソウル支局長公判】「しばらく日本に帰れず」韓国で申請棄却を速報 - 産経ニュース
関係が良くなる話がまずないですね…。
スワップの取りやめに関しては両国間とも正直どうなるのか分かっていない人たちが多い気がします。冷静な目で見てみると、関係悪化だから延長しないという見方よりも
「延長しないほど関係が悪化してしまっている」と見る方がいいというのが持論です。
っていうのも有事のための協定なので、普段どちら家が有利不利であってもリスクをヘッジできるならってことは言えるわけで。そのはしごを下ろすのはあまり賢いことではないのでは?
今後
ネットの反応を見ると非常に過激です。両国のまとめサイトでもスワップ取りやめに歓喜の声がでているくらいです。(たとえそれが一部のネット上でのことだとしても)
現状が関係悪化してる上に延長しないとなれば更なる冷え込みももちろん想定できます。
ここで注意したいのは日本と韓国のことしか考えないのではなく、アジアの3台拠点と言える日中韓3国の関係は非常に重要だと言う点です。アジア全体の経済の安定化のためにもこれからどうやって相互協力体制を敷いていくのかに注目していくべきでしょう。
日本と韓国の2カ国のリスクヘッジは、すなわちアジアの経済のリスクヘッジにも関わってきます。いままでもは日本もカードを切る選択肢よりも大人な対応をしていたという印象ですが、それを取りやめてしまうのはどうなんでしょうか。
もちろん地域の安定は一カ国の責任ではなく地域の経済的な中心国全ての責任です。
お互いの繁栄のために、一人の若者として政治的・経済的な日中韓の関係をこれからも見つめていくべきではないかと考えています。