公務員目指す人は「学問のすゝめ」を読んでおいた方がいいと思うよ。

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あまりにも有名すぎる本は、ともすれば読まれないこともある。

しかし、高校2年生の時に出会ったそんな本のうちの一冊はぼくの人生に大きな影響を与えた。「学問のすゝめ」だ。

 

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)

 

 

読んだのは岩波だったけど、別に現代語訳でいいと思う。読みやすい方がわかりやすいしね。

冒頭は、非常に有名な

「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らずいえり」

から始まる。

知っている人もいるとは思うが、この言葉から直感で感じるような美談を福澤先生箱の本で語るわけではない。むしろ「ではなぜ現実世界では貴賎の差があるのか」について語っている。それが学問によるところだというのがこの本の大意だ。

 

この本の中では学問がなぜ必要なのかを持って進めているわけだが、前半の章では特に「独立」というのがそのキーワードとなる。

 

まだ、明治4年といった政府の力と民の力に明確な差異があった時の話であるが、この本の内容は部分的にではあっても現代に通じるものがある。

よくよく読めば、今のTPPで中国に対する予防線を張るという話につながっているところもある。

 

あまり多くを語りすぎるとネタバレになると思うが、とくに公務員を目指す人には

「国を思う」

ということを忘れないためにも、どのような立場の公務員であっても国に使えるとはどういったことなのかを知るためにも是非読んでほしい。

 

もちろんこの本は過去のものだ。時代は変わったし、「一貫した哲学」は大意ではあっていても部分では異なってくる。そのような時代に先見の明があったとしても、過分に福澤先生自身も影響を受けていると感じるところが節々に見えることもある。

大意を見失わずに、かつ陶酔するのではなく彼の哲学を我がものとして読みとき、今の時代につなげることができればきっとその人は意義ある議論ができる人になるのかと思う。