橋本知事は分かってないのではなく為政者の立場から正論をいっただけに聞こえる。
4年前の記事ですが目についたので読んでみました。
橋本氏が「公」という立場から高校生と論議をした話を批評して、基本的に橋本氏をこき下ろしている。
この記事を読んで、確かに高校生を「可哀想」と思うかもしれないけども僕は橋本さんの考え方におおむね賛成している。
◇ B君 (私立高2年) 僕の家は母子家庭です。 私学でお金に迷惑をかけると悩みま
したが、 「あなたが決めるなら応援する」 と言ってくれた母親を、 これ以上苦しめ
たくないです。
◇ 知事 なぜ公立を選ばなかったのか。
◇ B君 いまの高校なら、 中学でできなかったことも補えると勧められました。
◇ 知事 いまの高校をいいと思うなら、 いいものを選べばいい値段 (学費) がかかる。
ここから分かるのは必ずしも「教育レベルの水準が高い」からお金がかかるのではなく
「自分(のレベル)にあった教育を受けるために」はお金がかかるということだ。
◇ Cさん これ以上(公立高校を)つぶされたら、 私学へ行かざるを得ない状況になり、 私学助成も減らされたら、 勉強したくても勉強できなくなる。
◇ 知事 入試制度があって、 能力で選ばれてしまうのが高校。 全員受け入れるという
仕組みにはなっていない。 もう少し幅広く勉強してほしい。
◇ Cさん それなら私たちが安心して勉強できるようにしてください。
◇ 知事 勉強は学校がなくてもできる。
この受け答えは高校進学率が96%の現代社会において一般的ではないという批判を先のブログの人はしているが、高校に進学しなくても高校進学程度の認証はされる制度がある。自分で勉強すればお金はかからない。教育というのは「サービス業」なので、それにお金がかかるのは当然のことだ。
◇ Eさん 勉強がついていけなくなるので、 いまの高校しかないと言われました。
◇ 知事 そういう道をあなた自身が選択した。 なぜいまの高校だけに限ったのか。
◇ Eさん そこにしか行けないと言われました (涙ぐむ)
◇ 知事 人生のルートは大学がすべてではない。 読み書き、 計算以上の化学式や歴史
は、 僕は何も覚えていない。 絵だって、 音楽だっていい。 僕の同級生でも、 高校
に行かずに社長になった人も、 いっぱいいる。
◇ Cさん 勉強はもちろんだが、 一人一人の個性を生かした教育をするのが本当の学校。
◇ 知事 それは社会人になっても生かせるから。 高校に行かなくても個性を伸ばしてい
けるルートを準備しなければ。
僕は高校が一人一人の個性を生かした場所などと毛頭思わない。高等学校はあくまでも
「頭を使った仕事をするための基礎能力育成所」だ。
そのような仕事に就かない人にとって(というかほとんどの人がそうだと思うが)高校に行くのは事故投資として妥当だとは思わない。
ここからは僕の勝手な感想
日本においては年齢ごとに「普通やること」が社会的に決められている風潮がある。
大学まではいって、仕事に就く。
夢を持つにしても、それをかなえるためには皆と同じレールに従う必要がある。
高校生に対して
「君達の努力が足りない」
「他にも道がある」
「いつまで夢を持っているんだ」
「与えられた環境の中でできることしかできない、環境を変えたいならば死ぬほど努力しろ」
なんて言う大人は少ないんだろう。
高校生達は親に「金銭面で迷惑をかけることは申し訳ない」と思っているようだが
「国に金銭面で迷惑をかけること」を申し訳ないと思うどころか、当然の権利と思っているように見える。しかし、権利の施行には相応の義務を果たす必要があると思う。
社会的に無力な立場の未成年を一方的にいじめるなと言うかもしれないが、社会的に無力なのは高校生だけではなく大学生も社会人も同じだ。
皆一人の人間として、自分の与えられて環境の中でできることをしてる。
どうせいても納得できない人はリスクをとって行動し相応の努力している。
環境という物は変え難い。
近道をしたいとわがままを言うより、必ず成すと決めて遠回りした方がゴールにつく年齢は近くなると思う。
政府というのは国民から委託された権力の中で限りある資源の配分を決める必要がある。
今この国において、「全ての国民が高等教育を受ける必要がある」とは考えていないのだろう。そして、それを必ずしも悪しきことだとは言えない。
高等教育を受けなければすばらしい仕事ができないわけではない。
むしろ高等教育を受けて、安定を手に入れてすばらしい仕事をするきっかけを失う人すらいるだろう。
政府は与えられて権力を「最大多数の国民」にとって良いことに使うしかない
その時少数派が損をするのは仕方のないこと。
仕方の無いことだけども、声を上げることが悪いことだとは思わない。
一つの府をまかされた知事に対して、面と向かって文句を言う高校生がどれほどいるだろうか。
4年経った今当時の彼らが
「橋本だけは絶対に許さない。」
「いつかあいつの鼻をあかしてやる」
と思ってどこかで頑張ってたら橋本さんの議論も生きているってことだと思う。